黒木ちひろ

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兎の毛皮

兎の毛皮 / 黒木ちひろ


貴方のように
 鳥のように、生きてみたい

人って羽が無くても飛べるのね
不安定に  ふわふわ、ゆらゆら

いつの間に私は 奥の方でうずくまって
光も忘れたわ
起き上がるのも億劫だわ

ねぇ 名前を呼んでくれない?
   ここまで早く上がってこい って
   貴方の声のする方へなら
   這い上がっていける気がするの


貴方はとても たかぁいところ
輝いた目で

落ちてしまいそう はらはら、するくらい
不安定に  あ、ほら 落ちたわ

でも貴方は すぐに起き上がって
もっと 上へと登るのね
たかぁいところ、届かない

ねぇ 変わることを願ったところで
   それを叶える力も持てないなら
   貴方は私を待たないでしょ
   すぐにだって見えなくなるでしょ


羨むことを やめないわ
 偽る色に 慣れないわ

消える前に声を聞かせて

ねぇ お願い、ひとつだけ

   名前を呼んでくれない?
   ここまで早く上がってこい って
   貴方の声のする方へなら
   どこまでだって行ける気がするの


私も飛んでみたいのよ
そこから見える世界を知りたいわ

   ああ、 ねぇ 空はきれい?



fluffy

fluffy / 黒木ちひろ


例えば私が見捨てても
この世界は回るだろう
全てを溶かして無くしては
踊るように回るだろう

彩りひとつ、になりたくて
ここで笑ってみたけれど
どうやら私の足掻きより
あの人で事足りる

もういいかい 息苦しい風の中で
もういいかい 息を止めてもいいかい

fluffy fluffy ながされて
 今にも空まで吹かれそう
fluffy fluffy おとされて
 軽すぎるんだ
 綿毛みたいな命だよ


中途半端に繋いだ夢
花の名も知らなければ
涙と一緒に終われたろう
君と一緒に終われたろう

もういいかい 鞭を打つのももう疲れたよ
もういいかい 息を止めてもいいかい

fluffy fluffy ながされて
 迷える程度ということさ
fluffy fluffy おとされて
 重すぎるんだ
 この体さえ、私には


のはらには、

  それはそれはたくさんの
    綿毛が舞っていたでしょう
  それはそれはうつくしい
    景色を作っていたでしょう

でも私に 意味はあるの?
いま私に 色を付けてよ


fluffy fluffy ながされて
 辿り着く日も待てないよ
fluffy fluffy おとされて
 軽すぎるんだ
 綿毛みたいに飛んでった



運命論

運命論 / 黒木ちひろ


為せば届いた理想と 充ちた日々の糧
「幸せ」にだってなれるはずだった の?

空ごと呑み込んだ大きすぎる波は
見知らぬ場所へと私を運んだ

そこから続いた道と昇る太陽
私に逃げ場など残されていない

ここまで来たよ
壊しにかかった体を連れて
どこまで行こう
ねぇ、そこで見てて
無様に転がっていく私を


“何故私なの”と 問い掛けてみても
意味など無いなら答えだってない の

決まりきったゴールを目指し歩くだけ
操り人形、つまらないストーリー

こんなに哀しい世界でさえも
愛してしまうのは何故でしょうね

ここまで来たよ
収まりきらない想いを連れて
どこまで行こう
貴方の所為よ
ちゃんと責任を取って 終わらせて


私がこんなに弱いのも
なのに手放し損ねたのも
溢れ出る涙も
そして出会った全ても

  運命


ここまで来たよ
溢れてやまない愛を抱えて
どこまで行こう
ねぇ、そこで見てて
貴方がくれた花たち

ここまで来たよ
壊しにかかった体を連れて
どこまで行こう
この先は光
そうじゃないなら最後に恨め



Love me or break me

Love me or break me / 黒木ちひろ


日常の隙間に 潜んだ
暗闇を呼ぶスイッチ、なんだわ

 理想と現実の間
 理性と感情の間


冷えきった電灯が
再び
温もりを取り戻す のを、待つ

 空想と現実の間
 今日と明日の間


Love me or break me so I won't cry anymore
Love me or break me with your arms

The light has gone out
My world has lost the colors
Paint out tomorrow with your hands



persona

persona / 黒木ちひろ


愛されたいと思うさ
笑顔だって振り撒くさ
貴方の気に触らぬよう
感情も息も殺して

醜い顔を隠したら
みんなみんな褒めてくれた
張り付く顔のその裏で
私 本当は泣いてたわ

なにが嘘、なにが本当
 いつも愛されたいだけよ
  きれいな白を塗りたくる


いつも笑顔のあの人は
満ちた人だと思ってた
崩れそうな日々を送り
闇にいたと後で知った

目の前を行く百の顔
作り出された千の顔
優しい嘘も見たままに
全て信じた愚か者

なにが嘘 なにが本当
 もう私には分からない
  きっと貴方を傷付ける


なにが嘘、なにが本当
 いつも愛されたいだけよ
  きれいな白を塗りたくる
   転がる嘘を見抜いてよ
    何も知らずにいればいい!


やがて、

肥大し始めるペルソナ
私のこともおいて笑う
張り付く顔が剥がれない
“本当の私”はどこに?



世界は灰色だ

世界は灰色だ / 黒木ちひろ


乾いた体から崩れていく音が聞こえた
見せ掛けの視界が剥がれて 姿を現した

何一つもう与えないで 悲しく愛してしまうから
届かなければよかったの あの光も 最初から

「誰かを悲しませる」だなんて
それもすぐ消えることでしょう
どこまで私を責め続けるの

許されちゃいけないの?


絡まって見えていたロープは幻と気付いた
私を繋いでいた想いも 姿を消していた

諦めまいと挑んでも 拳だけ赤く染まった
愛想を尽かすくらいなら 掬わないで 放っておいて

「夜明けは必ず来る」だなんて
背負う気も無い言葉でしょう
当ての無い未来もいらないから

その手で背を押して


 どこにも なんにも
   もうないや

       もういいや


「誰かを悲しませる」だなんて
それもすぐ消えることでしょう
貴方はきっと涙を流さない

「夜明けは必ず来る」だなんて
背負う気も無い言葉でしょう
果てには何も残らないと知った


世界は灰色だ



STARLIKE

STARLIKE / 黒木ちひろ


仰ぎ見る空が褪せても
私はもう足を止めないから
色とりどりの温もりが
灰色の地上でまだ光るから

悲しみに疲れ果てては
覚めないことを願い目を閉じる
逃れられず孤独の中
泣き叫ぶ貴方もまた燃えている

ここにいる 見つけてよ


光り合う  貴方に照らされてる


近いようで遥か遠く
この手を繋いでいられないけど
貴方の目に映るのなら
灰になって尽きるまで燃えるから

ここにいる 見つけるよ


光り合う  貴方を照らしたい


ずっと

本当の願いは聞こえてたよ 叶えたいよ
届かないかな
綺麗だよ


貴方に 照らされてる



獣道

獣道 / 黒木ちひろ


 そんな目で 僕を見ないで
 僕はそんなに綺麗じゃない
 そんな風に 信じないで
 僕はそんなに強くない


泥に塗れた顔を打つ雨が 滲みて泣いた
黒いナイフを尖らせて 右手に握ったまま


擦れ違っていく棘たちが 僕を責めて踊る
鮮やかな実を踏み付けた 悪者は誰だ、と


泥に隠れた傷を洗う雨が
          優しくて泣いた


 こんな手で触れることなんて
 許されない僕だけど
 どんな道でも歩いてみせよう
 君が僕を信じるのなら



太陽さがし

太陽さがし / 黒木ちひろ


もう何度目か分からない夜が来た
僕はまた方向を見失う

太陽は裏側に行っただけ
消えたりしないと言ったけれど

 真っ暗だ 何も見えない
 真っ白だ この頭は
 真っ直ぐに歩けない
 泣いてる僕を笑う僕

 真っ暗な夜を過ごす
 真っ白な光を待つ
 真っ直ぐに歩けない
 絶望なんかしていない


生温い砂を握りしめても
僕は少し眠り方も覚えた

太陽が昼間に映し出した
蜃気楼をなぞって夢に映す


もう何度目か分からない夜が来た
僕には そう 怖いものなんてない

太陽を捜しに歩いていく
手探りの景色は変わるのかな


 真っ暗なこんな場所で
 真っ白な君に出逢う
 真っ直ぐに歩けない
 こんな僕でも愛してよ

 真っ暗な思いなんて
 真っ白な砂に埋めて
 真っ直ぐに歩きたい
 泣いてる僕を笑う僕

 真っ暗な夜を進む
 真っ白な君を想う
 真っ直ぐに歩きたい
 絶望なんかしていない


 この声がまだ続くなら



remains

remains / 黒木ちひろ


何かを探しに来たわけじゃない
どこにも行きたくないわけじゃない
そこまで守っていくものもない
ここから築いていくものもない

夢みたいに輝かないで 醜い心が分かるから
その目に映る風景に 相応しくなれない

 あの人が愛していたのは
 ありふれた海辺の街です
 数え切れない想いと命が
 降り積もり地面になった


砂粒ほどの人を擦り抜け
波音はその声から聴けた
貝殻の中はただ暗いだけ
全てはやがて変わっていくけど

幻みたいに消えないで 上手に笑ってみせるから
その手が触れた風景は 今もまだ光って

 あの人によく似たこの街を
 いつからか愛していました
 数え切れない想いと命に
 私もまた息を重ねていく


凍えながら南へ向かってみるけれど
こんな足取りじゃ海は遠い

遠いよ


 あの人が先に去ることも知っていました
 私を残して
 数え切れない想いと命は
 もう二度と地を踏むことはない

 遺された街

 愛していました



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