負け犬
負け犬 / 黒木ちひろ
期待を背負って街に出た
他より良い鼻を高々と
振り返る景色に酔ってた
けれど見上げる壁は高すぎた
届かない
それが 僕の心を踏み付ける
美しい貴方を見ていた
一生懸けても敵うわけない
自分の姿が恥ずかしい
誰の目にももう映りたくない
消えたい
流れに逆らってみるけど
進めないまま息も絶え絶えに
憧れた街を追い出され
何一つ誇れない野良犬に
動けない
敵は 自分なのだと思い知る
白旗の用意はできてる
別れの言葉も遺してきた
諦めることで生き延びた
だけど今もここで月に吠える
勝ちたい