荒波の先
「ピンと張った糸は、こうしてすぐに切れてしまうから
こうやって、少し緩ませるくらいがいいのよ」
と、手近な糸屑を使って話してくれたのは教会のシスター。
生き方が分からず
ピンと張った糸で首を絞めるように
もがく私を助けようとしてくれた。
その想いが分かるようになった今も
何度も崩れることに気付きながら
私は糸を緩ませることができないまま、
生き方が分かりました
ピンと張った糸で首を絞めるように
もがくのが私の生き方。
いつか、軌道に乗ったら
人生が軌道に乗ったら
流れるように、揺蕩うように、
生きれるんだろうか
心穏やかに生きたいな。
だけどそれまでは、
立ち向かっていかなくちゃ
だって逃げたいと心が喚いたって
前も後ろも右も左も
逃げ場なんてないじゃないか
他の生き方なんて知らないじゃないか
私の本当の願いは
生きていく道は
荒波の先へ続いているのが見えるだろ?