黒木ちひろ

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Chapter 1 - Diary

いやなやつ

久しぶりに、顔を見た。

あの人が私の、顔を見た。



他に話す相手がいなかったから、
仕方なくだっただろうか。

彼女はときどきふらりとやって来ては、
いつも私の顔は一度も見ないまま、
私以外の人に明るい笑顔を見せて去って行く。
私が投げ掛ける笑顔はただ、
その横顔や背中に弾かれるのだ。

人当たりの良い彼女が私を嫌いだという事実を、
知っている人はいるのだろうか。


多分私が悪い、と思っている。
私の心に余裕が無い頃、
さぞや不快な態度を取ってしまっていたに違いない。

私の存在を見ないことにするという手段によって
彼女の心の平穏が保たれるならいいだろう。
彼女が私を嫌いだからと言って
私が彼女を嫌いになる理由は無いのだ。

受け止めよう、


「今ここにいる誰よりもあなたが嫌いです」


というその毒を。



彼女の中で、私はきっと物凄く嫌な奴。

そしてそれはまた、
紛れもなく一つの事実。



だけど大きくなったんです、あの頃よりも私は。
悪意の原因が私ならば受け止めます。
そしてもっと大きくなります。

あなたに見直されるくらい大きくなります。


いつか、変わった私に気付く日

は、

来ないのかもしれないけれど。

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