借り物競争
私は私の体と喧嘩する
私の思い通りになってくれないのだから
この体は借り物なのかもしれない
体調によって心が曇る
借り物に決められてしまうなら
この心は誰のもの?
私が表す言葉は私の心
けれど言葉は私が作ったものじゃない
私は些細な語句までよく辞書を引く
そうして共通の認識を固定させ
より上手く扱おうとしている
言葉は借り物だ
借り物で作られている私の心
誰のもの?
アイデンティティなんて
「私」なんて
さぞや小さなものなんだろう
私の心はどこでしょう
脳の中
心臓の中
思う私がここでしょう
問いかける
鏡には映らない
高い空からは見えないでしょう
魂の在り処