ハナミズキ
きゅーいちいち、という数字は
それだけで生き物みたいに存在感を持つ。
だから何か書こうと思ったんだけど、
何も書けることがない。
だってこれが起きたの私何歳のときよ、8歳よ、
世界は「よく分からないけどすごいらしいこと」だらけで
これもその一つに過ぎなかった。
今になって関連の文章を読んだりもするけれど
知るほどに脳は迷子になり気持ち悪くなるばかりで
考えはまとまらず、答えは出ない。
だから結局、祈るしかないんだろう。
一つ、こんな日だから
私の話じゃなくて人の話
私は一青窈さんが好きで、よくコンサートにも行くのだけれど
あの“ハナミズキ”が9・11を受けて書かれた詞だということを
知ってる人はどれだけいるんだろうか。有名?
「君と好きな人が百年続きますように」
ある日のコンサートで話していた。
好きな人を想うのは誰でもできること。
けれど好きな人の好きな人まで想えたら
その繋がりが広がって、
世界はもっと優しくなれるのではないか。
この日、歌よりも、歌についてのMCの内容よりも
歌う前のたった一言、
「まずは私から」
という言葉がとても印象に残ったのを憶えている。
まずは私から。
歌うたいってそんなもの。
音楽一つで変えられるものが、どんなに少ないか
どこかで分かっていながらも
愛の理想を掲げて歌い、
その背を晒す。
指差し嗤う人もいるだろうが
その背を見て変わる人がいる。と願う。
まずは私から。
あなたに繋がるように。
愛を掲げて、祈りを込めて、
歌うんだ。