黒木ちひろ

Official Blog
MENU
Chapter 1 - Heart

HURT(1) 「遺書」

遺書を書いたことが、一度ある。

5年前のことだった。
いつだって「死にたい」と思っていたが、
それがあるとき、「今日死のう」に変わった。

遺書を書こうと思ったわけではないが、
その頃既に私の捌け口はブログであり、
その夜もメールで記事を送った。


「死ぬってことは、大好きなみんなともお別れだ。」


もし今死ぬとしたら、何を言いたい?
考えるまでもなく、私は答えを知っている。
私の短い人生で最も死に近かったとき、
頭に浮かんでいたのは愛しい人たちのことばかりだった。
家族や友達や、支えてくれていた人、順番に挙げて、
ありがとう。ありがとう。ごめんね。大好きだよ。大好きだったよ。
本当にただそんなことを書いた。

最後は、「私は本当に恵まれた人間だったと思う。」だった。
私は感謝することや、愛することをやめはしなかった。
それでも「幸せ」は感じられず、ただただ自分が赦せなかった。


その日、ブログを見てくれていた方が奔走してくれたらしく、
警察から自宅に電話が掛かり、母に泣かれ、私は生きた。

見渡す限り真っ暗で、努力しようにも体も心も壊れていくばかりで、
未来を切り開く術さえもう無いと思った、
そのたった5年後が今である。


何故今この曲が出来たのか。私にも分からない。
まだ“運命論”も記憶に新しい。
あれは真っ直ぐ生へ向かう曲だったのに。
頭でメロディが鳴り続くから形にしたこの曲は、死へ向かう曲だ。


けれど、たった5年。
それでこれほど変わったんだ。
もしかしたらこの5年後は、また真っ暗闇かもしれない。
5年後は、もう無いかもしれない。

ならば光を感じられるうちに。
あのときには書けなかった、「私はとても幸せでした」を始まりに。
赦せなかった自分を認めて。
本当はうまく愛せない人だっているけれど、
最後ならそんなのも全部包み込んで。


ありがとう。ごめんね。愛してる。


いなくなったら、忘れていいよ。

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

該当の記事は見つかりませんでした。