言葉探し
貴方の気持ちが解るからこそ
何を言ったらいいか分からなくなるの
魔法みたいに私を救ってくれた言葉
なんてあったっけ?
知ってるよ、前向きな言葉にだって
いくらでも反論できてしまうの
――私も認められない前向きを
貴方に押し付けていいものか
“永遠じゃない”って
それだけは言えることだけど
馬鹿の一つ覚えみたいに告げてみたって
きっとそれは煩わしいこと、で
だけど、私はいつだって
声を掛けてくれる人の気持ちが嬉しかった
独りよがりな嘆きを
いつも聞き捨てないでいてくれた
心の奥で信じられないこと
ちょっとは信じてみようか、って気になった
だからそれを信じたいの、私
傷心の人に声を掛けるのって
本当はとても怖いこと
きっと相手は、ほんの一押しで
崖の下まで落ちてしまうところに立っている
この言葉で相手はどう思うか、
傷付けたり怒らせたりしないか、
嫌われないか
頭フル回転で掛ける言葉を探す
もし今手を伸ばさないで
その人が遠くへ行ってしまったら
それはもっともっと怖いこと
だから
私は、貴方の嘆きを聞き流さない
もしも、もしも
私のことが嫌いになったら
そのときは貴方のほうから離れて
どこかで幸せでいて
それまで私は、貴方を忘れない
貴方の力に なりたいのです。